過去に、「育児してると個性が死にがち」という心境を描いた漫画をTwitterに載せたところ、大変多くの反響がありました。
育児してると個性が死にがち（オチなし心境メモ） pic.twitter.com/fE1Z3wSYVu
— ふるえるとり (@torikaworks) November 23, 2018
追記。自分の好きなことを少しでもしてみる、という簡単なことがとても難しいのだけどもね…。 pic.twitter.com/4Lzd0aSnyk
— ふるえるとり (@torikaworks) November 24, 2018
コピー用紙にボールペンで雑に描いていた個人的な心境メモだったのでまさかこんなにバズるとは思わず、こんなに多くの人にみてもらえるのならもっと綺麗に描けばよかった…というのが正直な私の気持ちでした。
さて、内容について思っていることを書いていくことにします。
育児に一生懸命になっていたら、「自分の個性」がなくなっていた
私は産前、仕事大好き人間でした。当時はデザインやイラストの仕事をしていて、そのような仕事をする事自体が子どもの頃からの夢だったため、毎日デザインやイラストのことを考えて生き生きと働いていました。そして休日にはショッピングを楽しみ、大好きなビールを飲み歩き、ゲームをし…という塩梅だったのですが、これが産後（正確には妊娠してから）がらりと状況がかわりました。
まず、妊娠してからは夜に出歩けません（出歩けないということはないですが、念のため安静に過ごしていました）。お酒も飲めません。お刺身も控えなければなりません。
臨月を迎えて産休に入ると自分の中の大部分を占めていた仕事から離れることになります。ただただ家事をして、お産を待つ日々…そして出産してからはさらに趣味を楽しむ余裕がなくなってしまいました。体力的にも精神的にも、エネルギーがあまっていませんでした。毎日毎日子どものことを考えて一日一日子どもを生かすことだけに専念する日々。
デザインのことを考える時間がなくなり、ゲームもマンガも楽しまなくなりました。友達とも会えない日が続き、外出は最低限…そして「あれ？私、何が好きなんだっけ？」とふと空っぽになっている自分に気づきます。
家事をして、育児をして、眠ってまた朝が来て、の繰り返し…世の中の育児ママさんたちの日常であり、私もそんな中の一人。この生活でいいんだ、子どもも順調に育っている。…でもなんだか虚しいのです。
私、産前どんな人間だったっけ？「自分」という個人が「お母さん」という大きな括りの中に吸収されていなくなってしまったように感じました。
好きなことを5分でも10分でもしてみよう
思えば大好きだったイラストも描かなくなっていました。手芸も全然できていない…とにかくこのままではいけない、好きだったものを思い出したい…思い立ったその日の、娘がお昼寝をしている時間に刺繍をしてみることにしました。
「なんだ、できるじゃん！」
刺繍は布と針と糸があればできます。子どもが泣いたらさっと片付ければいいのです。何故か「趣味を楽しむ」ことに対して自分自身がハードルを上げまくっていたことに気が付きました。
できることから、5分でも10分でも始めてみたらいいんだな、と思いました。
時間のかかる大掛かりな趣味は難しいかもしれませんが、例えば読書でも手芸でも音楽鑑賞でも、中断されてもいいと割り切ればできなくはないと思いました。
私の場合、「少しの時間でも『自分のための趣味』ができた」ということに対する達成感と喜びが大きく、何も諦める必要はないんだ、と目の前が明るくなった心地でした。
それからはむすめが寝ているあいだにこそこそと手芸をしたり漫画やイラストを描き続けたりしています。ただの「お母さん」ではなく、「趣味を楽しむ自分」に戻れる時間ができたことで、育児に専念する閉塞感から抜け出すことができました。
自分の好きなものを大切にする姿勢がいつか子どもに伝わるといい
まだ先の話です。2歳までの育児しか経験していないのにわかったような口ぶりで発信するのは憚られるのですが…きっと、子どもは親の姿を見て育っていくと思うのです。むすめには、趣味を楽しんで生き生きしている自分の姿を見せたいなと思っています。いつかむすめが同じように育児をするようになったとき、または何かに従事して周りを見失いそうになったとき…好きなものを諦めなくてもいい、大事にしていていいのだと思ってほしいです。
とはいえ育児に専念して自分が空っぽになるのは悪いことではない
ここまで書き連ねましたが、育児に専念していて趣味を楽しめない、自分が空っぽになってしまった、むなしい…という状態は決して悪いことではないと思っています。そんな風になるまで自分を投げ打って育児していることは立派であり、むしろ自分自身を褒めていいと思います。産後の体で右も左もわからない育児を必死にしているのですから、自分のことが後回しになるのは当然です。私の場合はむすめが一歳半になったころにふと周りを見渡す余裕が出てきて、やっと趣味を楽しんでみたいと思えるようになりました。無理に「個性を取り戻さなくては」と思う必要は無く、気持ちに余裕ができ、何か楽しんでみようかな、と思った時に徐々に楽しんでみればいいのかな…と思います。
育児をしていてもできることって案外多い
基本的にむすめが寝ている間にしかできないのですが、例えば昼寝の1時間、夜の寝かしつけからの1〜2時間…私は刺繍・ミシン・アイロンビーズ・水彩画・お絵描き・ゲーム・漫画・アニメ・などなど色んなことをしてみました。すぐ飽きてしまったこともあるのですが、育児から頭を切り離す時間が案外大事で、とてもよいリフレッシュになりました。他にも読書や映画鑑賞なんかできたら素敵だな…これからも新しいことに手を出してみたいななんて考えています。…まぁ、疲れているとスマホを眺めていて過ぎてしまう時間なのですがね…！！
